数学は仕事で役に立つと思いますか? 数学が苦手な方ほど「仕事では全然使わないし…必要ないよ」と答えます。
しかしたった1つこれを身につけるだけで「仕事ができる人」「理系出身?」「数学が得意?」と言われるようになります。言われてみたいと思いませんか?
身につけるたった1つのこととは、「数学」ではなく「数字」的感覚です。
例えば、高校1年生で習った「余弦定理」、私も教員として授業をしていたとき以外使ったことはありません。

そうでしょ~う!
やっぱり使わないじゃん。

数学を使う人だけ勉強すればいいんだよ。
数学ってなんだか苦手・・・
数学というと問題を解くことをイメージしますよね。難しくて解けなかった記憶がよみがえるかもしれませんね。
数学は問題を解いて答えを出すことだけではありません。解く過程の思考や数字やグラフの利用、仕事に役立つ要素が数多く含まれています。
この記事では「仕事で役立つ数学力」として「数字的感覚」について解説していきます。
・数学が苦手でコンプレックスだった。
・文系だったので数学的な感覚があるか確認したい。
・社会人として身につけておきたい数学の力について知りたい。
勉強することや教えることが大好き40代ブロガーです。国立大学理学部数学科卒業後、教育職を13年経験。一つひとつの悩みを解決できるような記事になるよう努めます。是非、最後までお読みいただければうれしいです。

目 次
1. 文系でも必須「数字的感覚」

例えば、「明日の売上予測」について会議で発表した2人の説明を見てみましょう。

明日は雨です。雨の日は売上が多くなりますので、明日は多くの売上が見込めます。

降水確率が80%以上の日は、売上が10万円を下回ったことがありません。明日の予報は今のところ80%ですので、10万円以上の売上を見込んでいます。
いかがでしょうか。
口頭で伝えられたならば、Aさんの話でもなんとなくは伝わるような気もします。しかし文章で見れば一目瞭然ですね。Bさんの方がグンと説得力が上がります。
普段使ってる言葉は、話し手側と受け取り手側で同じようなニュアンスで使用しているとは限りません。そのため、過度の期待を与えてしまったり、信頼してもらえなかったりなどの問題が生じることがあります。
それに対して、数字を使用した場合はその会話のずれを最小限に抑えることができます。本当に雨が降るのか、本当に売上が上がるのか、いくらぐらい売上が見込めるのか、話し手側も受け取り手側も同じくらいのものを想像しているのではないでしょうか。
2. 仕事で役立つ数学は「指標の計算」

次に「指標の計算」について考えてみましょう。学生時代はテスト前に一生懸命公式を覚えた経験があるかもしれませんが、社会人では指標の式を覚える必要はありません。それを使えるかどうかが大事になります。
例えば、5店舗の売上の平均値は?と聞かれたら(5店舗の売上の合計)÷5ですよね。
平均値の計算式を調べたいときは、Web等で検索をすればすぐに見つかりますので、重要なのはその答えを実際に自分で導けるか(Excel等の数式を利用してもよいと思います。)ということです。
最近は、ほとんどの職場でシステムが導入され、必要な指標は全部自動で表示されるでしょう。ただし、その指標を利用するとき、計算を理解している場合と計算を理解していない場合では大きく違いがあります。
システムの間違いには気が付けませんし、会議の途中で一部の値が修正された場合も直観的にその指標を理解することはできません。
私はこの記事をWordPressというものを利用して作成しています。しかし私はまだWordPressを構成している言語 HTML , CSS , PHP の知識がありません。そのため記事を作成することはできますが、プログラミング言語を書き換えてカスタマイズすることは怖くてできません。(今後勉強します。)
便利な機能を使うだけでなく、その本質を理解することができれば、これまで見えなかった気づきを得ることができます。
仕事で使う指標の計算式を覚える必要はありませんが、その意味を一度考えてみることであなたの「数字的感覚」はグンと上がります。
3. 数学力が仕事で役立つ場面

1つ有名な本を紹介いたしましょう。

「世界がもし100人の村だったら」という本を知っていますか?
世界には63億人の人がいますが
もしそれを100人の村に縮めると
どうなるのでしょう。
100人のうち
52人が女性です
48人が男性です
「世界がもし100人の村だったら」 マガジンハウス 池田佳代子、チャールズ・ダグラス・スミス 2001.12月
この本は、世界の人口を100人に縮めることで、簡単に現在の世界の状況を%(パーセンテージ)で表しています。
引用した例では、世界は全人口の52%が女性であり48%が男性であるということです。そのほかに人種の割合や宗教の割合、貧困の割合、エネルギーの割合、教育の割合など、見ただけで直観的に現状が把握でき、話題となりました。
このように割合で表した数値は、仕事をしていても頻繁に会話や資料の中に使用されます。それを聞いたとき、あなたは具体的に自分の課題として捉えることができるでしょうか。
様々なデータを見て、自分の会社、仕事の現状に置き換えて、自ら課題発見、課題解決できる人材が必要とされています。
ハードルが高すぎると感じられた方は、前項の「2.指標の計算」でも挙げたように、次のようなケースには対応できるよう頑張りましょう。

今年は、昨年の10%売上をアップさせる戦略をまとめて!
例えば、社長がこのような発言を会議でされたとしましょう。あなたは、10%の売上とは具体的にいくら増えればいいのか計算できますか?それを自分の部署が今後すべきことへとつなげられますか?
また、今年の売上と経費の関係を割合で出せますか?売上が10%増えたとして、経費がその内何%を占めていて、利益はいくら増えることになりますか?自分の部下へどのような指示を与えますか?
計算自体は簡単ですよね。数学というより算数だと思います。
しかし、数字という概念自体に拒否反応を示される方がいらっしゃるのも事実なんです。そのため、このような簡単な算数の計算でも、アレルギーを起こさず(笑)、日常飛び交っている数値を見たときに、常に自分の知識として落とし込む癖をつけたいものです。
4.【CHECK!】あなたは数字的感覚はありますか?

それでは、最後によくある例えを紹介して、自分の数字的感覚をチェックしてみましょう。

これまでは人生80年時代でしたね。
1日24時間を80年に例えると、現在のあなたの年齢は何時でしょう?
まだ朝ですか?
それとも、もう夕方ですか?

でも、これからは人生100年時代ですね!
100年時代に換算すると何時に変わりますか?
人生はまだまだコレカラです!
ちなみに、私は80年時代では午後1時ころでした。でも100年時代になると午前11時より前です!まだまだ色々なことにチャレンジできるんです。自分自身で「もう年だから」とせっかくの自分の可能性を否定していませんか?
人生は何かのきっかけで変わります。きっとこの記事を読まれたあなたはコレカラ「数字的な感覚」の変化が起こってくるはずです。数字は苦手だという思い込みを捨て、常に数字を意識する習慣を身につけましょう。コレカラの数字の意識はあなたの社会人生活で必ず武器となります。
おすすめの本を幾つか紹介します。武器となる一冊に出会ってください。
次回の「大人のやりなおし数学講座」も是非、よろしくお願いいたします。

