
第1回のやりなおし数学講座はどうでしたか?

数学って苦手だったけど、算数ならできるかも。

今回の「仕事に役立つ数学の力」って何だろう?は、
図形的感覚(図やグラフ)について紹介します。

お絵描きなら得意だよ~ww
「社会人には必須!仕事に役立つ数学の力について」というテーマで、第1回は「数学の力とは、数字的感覚?!」という内容で書きました。実際社会に出た後は、専門的な方を除いて数式を使って数学の問題を解くことはほとんどありません。だからといって数学の考え方が必要ないということではありませんし、数学ができないと社会で通用しないということでもありません。しかし、働く上で数学の力があることは、自分の武器となります。特にコレカラの情報過多の時代では、このような数学の力が必要になってくるはずです。是非、第2回「数学の力とは、図形的感覚?!」も最後までお読みいただければ嬉しいです。
・数学が苦手でコンプレックスだった。
・文系だったので数学的な感覚があるか確認したい。
・社会人として身につけておきたい数学の力について知りたい。
勉強することや教えることが大好き40代初心者ブロガーです。国立大学理学部数学科卒業後、教育職を13年経験。一つひとつの悩みを解決できるような記事になるよう努めます。是非、最後までお読みいただければうれしいです。

目 次
考える過程で図形を使えるか?
1. ベン図

ベン図は、よく集合の問題で使われる図ですね。いくつかの集まりをいくつかの円で表すことで、お互いの関係を直観的に理解することができます。それでは仕事ではどのように使えるのでしょうか?
「第1回の数学講座」では、次のような社長の発言を例として挙げました。

今年は、昨年の10%売上をアップさせる戦略をまとめて!
まだ、読まれていない方はこちらも是非お読みください。

前回の講座は「数字で考える」ことがテーマでしたが、今回は「図で考える」ことがテーマです。

図で売上の計算ってできないよ…

会社全体が同じ目標に向けて取り組む訳だから…
例えば、経理部門、それから商品を製造する製造部門、商品を売る営業部門の3部門があったとしましょう。(現実はもっと多いと思いますが、例なので少しご了承ください。)
3つの部門をそれぞれ円で表し、それぞれが同じ目標に向けて取り組むため、少し重ねて書いてみます。そして、3つの円が重なった中央のところ(図では♡ハートの箇所)を、共通の課題「昨年の売上から10%アップ」としましょう。それでは、この図をしっかり見つめてみてください。何か見えてきませんか?

例えば、他の円と重なっていない「経理」「製造」「営業」とそれぞれの部門が書いてあるところは、中央のハートの目標を達成するための各部門単独の目標を書くことができます。ここまでは、図を書かなくても誰でも思いつくことですね。しかし、図にすると①~③があるのに気が付くでしょうか。中央のハートの目標に向けて、経理と製造でできること、経理と営業でできること、製造と営業でできることが浮かび上がってくるのです。みなさんの会社は横の連携は取れていますか?
2. 樹形図

続いてご紹介するのは、樹形図です。確率の問題を考える際に、考えられるすべてのパターンを表すのに使います。木の枝のように広がっていくので、樹形図と呼ばれます。
それでは、このように考えられるすべてのパターンを書き出したいときはどのようなときでしょう。

たくさんアイデアを出すとき!
アイデアをグループごとに線でつなげて…

最近、マインドマップとかマインドマッピングとか、よく聞くわね
私もブログを書くときは、まずタイトルを決め、次に目次になる見出しを決め、そして見出しごとに簡単な内容をまとめるという流れで、ブログの骨組みを考えていきます。そのとき必ず使うのが、Xmindというマインドマップ用アプリです。
下の図は、この「大人のやりなおし数学講座」のマインドマップの一部を切り取ったものです。最初の項目が各講座のテーマ、2番目の項目が記事の目次になる見出し、3番目の項目が見出しごとの内容を簡単に表したのものになります。たくさんアイデアを出すときはもちろん、たくさんの情報を体系的にまとめるときにもとても役に立ちます。

さきほど「1.ベン図」の例では、各部門でできること、他部門と連携してできることを考えることにしました。そして今度は具体的に何ができるかを考えていくとしましょう。このような場合に樹形図(マインドマップ)が活躍します。まずは思いつくままにアイデアを書き、次にそれらをグルーピングし、早急に取り組むべき課題か、早急に取り掛かれる課題かなど、優先順位をつけていきましょう。
また、課題が決まり実行するためのマニュアルを作成する、課題を実行し報告書を作る、課題を遂行するためのプレゼン資料を作るといった資料作成の際は必ず最初に全体を把握し構成する骨組みを作る手順が必要となります。このようなときにも是非このマインドマップを使って考えることが重要です。
例えば「書類提出依頼」のマニュアルを作成してみたいと思います。具体的にマニュアルを書き始める前に、下に示すようなマインドマップで骨組みをしっかり作ってから取り組みます。いきなり文章を思いつくままに書いてしまうと、主題がずれていくことがあります。しかし、マインドマップでしっかりと骨組みを作っておくことで主題がぶれずに、シンプルにわかりやすいマニュアルを作成することができるはずです。

3. 表

続いて紹介するのは「表」です。

表なら誰でも知ってるよ~

表には、視覚的に理解を助けてくれる効果があるんだよ!
普通の文章を表に入れるだけで、ガラっと印象が変わるよ。
「2.樹形図」の最後で、書類提出依頼マニュアルの骨組みをマインドマップで考えてみました。そして、それを実際に文章で作成したものを次に示しました。

簡単な内容ですので、順番に読めば誰でも依頼作成ができそうですね。しかし、この文章を表に入れてみます。マニュアルの内容は全く変わっていません。印象はいかがでしょうか。

自分だけのマニュアルであれば、どのようなスタイルでまとめてもよいかと思います。しかし、それを他の誰かが使うものだとしたら、いかにシンプルに正確に簡単に伝えられるかが鍵となります。
誰でも知っているし誰でも使える表です。ちょっとしたところに、アクセントとして使ってみてはいかがでしょうか。
4. 座標平面

続いて紹介するのは「座標平面」です。座標平面は、2つの変数xとyの値が、それぞれプラスかマイナスかで平面を4つに分けたものです。2つのものを比較して物事を考えるときによく使います。
過去の記事ですが【メルカリ超初心者、売れない人必見!】で、出品のパターン別に場合分けをして売り方を考えてみました。その際に使用したのが次に示す座標平面です。メルカリで自分が出品したいものに対して、横軸は同じ商品が多く出品されているか否か、縦軸はその商品が売れているか売れていないかと設定しました。そして分けられた4パターンでそれぞれ対策を考えています。

まだ、読まれていない方はこちらも是非お読みください。

以前、東大卒の林修先生がテレビ番組で適職について話されているのを見たことがあります。その際もこの座標平面を使って説明されていました。仕事が好きか嫌いかという軸と、仕事内容ができる(得意)かできない(不得意)かという軸でした。もちろん、好きな仕事で得意な仕事が一番いいのかもしれません。しかし、林先生は、好きな仕事でもできない(不得意な)仕事より、嫌いな仕事でもできる(得意な)仕事の方が長続きすると言われていました。先生自身も教員のお仕事は好きではなかったそうです。しかし、自分が得意な仕事の方が需要が多く、教員の仕事は今でもまだ必要とされていると言われていました。ご自分の好きな仕事(本の執筆)についても、好きな内容で書いた本はあまり売れなかったが、このような内容で書いてほしいと頼まれた本はベストセラーになったとのことでした。自分の価値観だけでなく、座標平面で考察した分析がうまくいった良い例ではないでしょうか。
何かに迷ったとき、2つものを比較して考えるとき、課題に対して解決法を探るとき、私はいつもこの座標平面を書いています。
5. 数値はグラフでまとめる

最後に、グラフの紹介です。実際の仕事では、多くのデータを扱うことが多いと思います。売上や、顧客数、来店数、商品在庫など、数値で表しているものばかりですね。そして、この数値で表すものは、会議などにおいて説明する機会が多いと思います。説明をする場合はできるだけグラフを併用するようにしてみてください。
例えば、次のようなデータがあったとしましょう。

数字をよく見れば、女性より男性の方が来店者数が少ないこと、男性の来店者数が増えていること、女性の来店者数は横ばいであること、などがわかります。しかし、この表をグラフで表してみましょう。

折れ線グラフにすると、女性の来店者数が常に男性を上回っていること、男性の来店者数が増加し女性は横ばいのままであること、さらには、今後は男性の来店者数が女性の来店者数を超えそうだという予測もできます。
次のグラフはどうでしょう。

増加しているのは折れ線グラフと同様にわかりますが、折れ線グラフと比較すると、男女の合計でも来店者数が増加していること、各月の男女比が5月はほぼ同じ割合になっていることがよくわかります。
このように、グラフで利用することで、自分では気がつかなかった視点での考察や、的確にデータの特徴を相手に伝えることが可能になります。
5つの図を紹介しましたが、何一つ知らなかったという図はなかったと思います。しかし、常に図を利用して考えているか否かで、思考が上手に整理されるか否かにつながります。課題解決が早い、説明が簡潔でわかりやすいと言われている人は、思考の過程で図を使われているのかもしれません。
人生は何かのきっかけで変わります。きっとこの記事を読まれたあなたは「図形的に考える」という意識の変化が起こってくるはずです。数学は苦手だという思い込みを捨て、わかりやすく表現するために図を使う習慣を身につけましょう。図やグラフのスキルは、あなたの社会人生活で必ず武器となります。
おすすめの本を幾つか紹介します。武器となる一冊に出会ってください。
いかがでしたか。次回の「大人のやりなおし数学講座」も是非よろしくお願いいたします。

